コラム

経験者の声をコラムとして集めたものを随時更新いたします。

執筆者の地域性や対象者の環境によりその内容は多種多様で、住まいの個別性が大切にされています。
ここから正解を求めるのではなく、皆さまの引き出しを増やすことにお役立てください。

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コラム

住まい手には目で見て選んでもらう

『百聞は一見に如かず』ということわざがありますが、耳で説明を何度も聞くより、実際に自分の目で見てみるほうが確かであり、よくわかるものです。

特にキッチンやユニットバスといった住宅設備機器は、カタログで見ていただくのは当然として、可能であればショールームへご案内して、住まい手に実物を確かめてもらうのが望ましいです。

住まい手に『自分が目で見て選んだ』という満足感を感じていただくプロセスは非常に大事なもので、そのうえで専門職から的確なアドバイスをするというのが理想的でしょう。

対話の心得・第3条【わかりやすい言葉づかい】(神奈川県W)

屋外でのつまずきにも配慮を

外も、屋内と同様、大きな床段差よりも、ちょっとした床段差でつまずくことが多いです。たとえば、道路から敷地内へ上がる際の小さな床段差や、土の部分とそうでない部分の僅かな床段差などが危険です。

ただ屋外は一般的に、どのような改修工事を行っても、屋内よりかなり割高になることが多いうえ、手すりなどは他の同居家族にとって邪魔になることもありますから、どこを改修すれば安全で実用的か、専門家の意見を参考に整備するのが望ましいでしょう。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第14条【床】 / 設計提案ポイント4【安心・安全性】 / 転倒防止 / バリアフリーリフォーム (神奈川県W)

居間・食堂はキッチンとの繋がりに配慮を

間・食堂は、毎日の生活で中心となる場と言えるでしょう。特にキッチンとの繋がりは重要です。

食事を作り、配膳し、食べて、片づける、という一連の日常動作は、たとえば対面キッチンの手前に食器を仮置きできるカウンターが、どのくらいの幅で、どのくらいの高さなのかという、ちょっとしたことが非常に重要になりますから、新築・改修を問わず、特に時間をかけてプランを検討しましょう。

収納も重要なポイントになる

新・バリアフリー15ヶ条 / 第6条【居間・食堂】(神奈川県W)

最善の提案は何かという葛藤

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0歳を過ぎたご夫婦の住まいのリノベーションを依頼された際、奥様が脳梗塞で入院されていることを聞き、リハビリを担当している理学療法士(PT)の方に日常生活動作(ADL)について相談をしました。身体の状況を伺ったところ、右片麻痺だが住宅内では杖歩行で移動でき、ADLはほぼ自立しているとのことでした。

リノベーションとしては、特に夜間でもトイレに行きやすいように和室を洋室(寝室)に変え、押入れスペースをトイレに取り込んで直接出入できるようにし、リビングからも利用できるようにしました。さらに、夜間の利用時に片足でのトイレの立ち座りはL形の手すりにつかまってもかなり厳しいと考え、立ち座りを補助する昇降便座を提案しました。しかし、PTからは「足の筋力が衰えるので、現段階では昇降便座は勧めない」との話があり、設置を見送りました。

設計の立場からすれば、「安全でより楽な方法」を考え提案したのですが、経過を観察しているPTの考えとはまったく違っていたわけです。生活の中でのリハビリによる効果を、ご本人の負担と年齢も考えながら、どう捉え対応するべきか、とても難しいテーマだと思います。

対話の心得・第8条【多職種等との連携】 / 新・バリアフリー15ヶ条 / 第9条【トイレ】 / バリアフリーリフォーム(茨城県T)

設備の故障・不具合に備えて連絡先をまとめておく

住まいの設備関係で配慮していることですが、まず、リモコンやスイッチは、当然使いやすい場所や高さにすることですね。特に機器の操作が苦手な高齢者には、どこの部分のリモコン、スイッチかを表示することをお勧めいたします。

さらに、故障や不具合のときに備えて、工事施工者や設備工事担当者(下職)の連絡先を記入したものをまとめておき、それの保管場所を表示しておくといいでしょう。代表の連絡先だけではなく、実際に動く人の氏名や携帯電話番号などを記録しておくと、いざという時にすぐに対応してもらえて便利です。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第15条【設備のコントロール】 / 電気・設備工事(東京都O)