「寝室の窓から道ゆく人を眺めていたい」

とり暮らしの女性(70代)を支える居心地の良い家の設計を頼まれたときのこと。
いろいろご希望を聞いている中で、「寝室の窓から道ゆく人を眺めていたい」という言葉を伺いました。北が道路。プランご提案の第一歩は北側に寝室を持ってくる案を考えました。

ある時は、車椅子の男性から「夜寝る時、左足が痛いのでベッドから足を下ろしたい」という要望からプランを考えたこともあります。 他の人にとってはなんでもないことかもしれないけど、ちょっとした言葉の中にぜひ実現したい希望が入っていることがよくあります。そこから設計を始めるという、そんな方法もあるのではないでしょうか?

対話の心得・第5条【個別性の理解】 / 新・バリアフリー15ヶ条 / 第8条【寝室】 / プランニング(神奈川県Y)

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「寝室の窓から道ゆく人を眺めていたい」」への3件のフィードバック

  1. 経済的な効率優先の風潮の世の中だからこそ、人が自分らしく生きるための小さくても大切なことにこだわりたいです。
    住まいという個人のスペースづくりでは、すり減った心や命を回復するための配慮が必要です。そのために、個人的なちょっとしたひと言の重さを、大切に受け止めたいと思います。元気の素になる日常的な暮らしの質は、このちょっとしたことで大きく変わるからです。

  2. 北側の部屋は寒いからといって、避ける傾向がありそうですが、北側の道路を眺められる窓には道行く人の様子や季節の移ろいを感じることができます。もっと素敵なことは、晴れた日の北側の景色は陽の光を浴びて明るく、眺めているだけでも気持ちは晴れ晴れとして元気になれそうなことです。

    • 北側に床の間を配置して大きな窓を入れて、窓の手前に開き戸を付け、開放できる床の間を提案しています。高齢になると北側の柔らかい光が良いのではないかとの思いからです。
      床框を無くして、床の間の床も丈夫な板で人が乗っても大丈夫にしてます。
      北側を開放すると部屋が明るく感じます。

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