昼間も夜も快適に過ごせる寝室に

介助が必要になる生活を考えるならば寝室は腰窓にしておくと、ベッドの下の見せたくないものを外部から隠すことができます。腰窓にできないときにはガラスを上下二枚にして下の方を型硝子にすると良いでしょう。

避難を考えると出入りしやすい掃き出し窓があるといいですね。また、出窓は介助の時に物を置く場所やテレビの置き場としても活用できます。窓の取り方によっては、雨の日にもベッドの上で布団を干せる可能性がありますので検討します。ブラインドは日の入りの調整とプライバシーの保護ができます。

寝室の出窓は介助用品を置くこともできて便利です

寝室のベッドより下の位置にセンサーライトをつけると、夜中にトイレなどに行くときに足元の明かりが確保できます。明るすぎないことも確認してください。ベッド上で身体を寝かせた時に照明が消える位置も確認しておきます。センサーライトは、停電時・災害時にも活用できるよう、取り外せるタイプがお薦めです。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第8条【寝室】 / バリアフリーリフォーム(熊本県O)

寝室の音や温度に対する配慮の大切さ

寝室の音や温度に対する配慮の大切さについて述べたいと思います。

健康を保つうえで重要なことは、適度な運動、十分な栄養、そして睡眠であることは今さら申すまでもありません。高齢期になると、睡眠に関して何らかの障害がある方、さらに平たく言えば、しっかり睡眠が取れない方が案外多いと言われています。寝室の環境を整備するだけで、睡眠障害がすべて解決するわけではないかもしれませんが、眠りやすい環境を整えるということは、住まいづくりの際に案外意識が向いていないかもしれないポイントです。

音や室温が適切に保ちやすくするためには、まず、窓(サッシ)を見直してみることがもっとも近道でしょう。既存の住宅でも二重窓にすることは、コストパフォーマンスが高い改善だといえます。新築やリノベーションなど、新規でサッシを導入できる場合には、極力、断熱性の高いサッシを選択しましょう。

さらに言えば、これから新築を計画されている方や、移住を模索されている方、大掛かりなリノベーションを検討中の方であれば、家の中で寝室自体のレイアウトにも気を配りたいものです。「ここが寝室」と決めるだけでなく、具体的に図面の中に正確なベッドの寸法を書き込んでみることをお勧めします。そうすることで、ベッド廻りの動きやすさや、部屋としての使い勝手が見えてきます。また、将来のどこかのタイミングで夜間の介護や看護が必要になった場合の動線も、少し視野に入れておくのも無駄ではないかもしれません。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第8条【寝室】(兵庫県O)

「寝室の窓から道ゆく人を眺めていたい」

とり暮らしの女性(70代)を支える居心地の良い家の設計を頼まれたときのこと。
いろいろご希望を聞いている中で、「寝室の窓から道ゆく人を眺めていたい」という言葉を伺いました。北が道路。プランご提案の第一歩は北側に寝室を持ってくる案を考えました。

ある時は、車椅子の男性から「夜寝る時、左足が痛いのでベッドから足を下ろしたい」という要望からプランを考えたこともあります。 他の人にとってはなんでもないことかもしれないけど、ちょっとした言葉の中にぜひ実現したい希望が入っていることがよくあります。そこから設計を始めるという、そんな方法もあるのではないでしょうか?

対話の心得・第5条【個別性の理解】 / 新・バリアフリー15ヶ条 / 第8条【寝室】 / プランニング(神奈川県Y)