転倒予防のための生活上の工夫と建築上の工夫

倒事故予防のための生活の工夫、あるいは住まいづくりの際の工夫について述べます。

転倒事故は骨折を起こしやすく、骨折による長期臥床は、身体機能を急激に衰えさせることにつながります。ですので、できるかぎり転倒しないように注意することは非常に重要なのですが、わかってはいても、転倒事故は起きてしまうものです。

統計によると、大きな段差がある場所よりは、普段何げに暮らしている居間などでの転倒事故が最も多いという結果が出ています。

転倒を予防するための環境面での工夫としては、できるかぎり床面に、滑ったり躓いたりしそうな無駄なものを置かないことが先決でしょう。新聞紙、日用品、電気のコードなどが日ごろの生活動線の中にないかどうか見直してみましょう。

その上で、住まいづくりをする機会にできることがあるとすれば、できるかぎり段差をなくすこと、大きな段差をできるだけ小さくすること、段差の上がり降りの際に、手すりを設置することを強くお勧めします。階段に手すりを設置することは、平成12年の建築基準法改正で義務化されましたが、それ以前の住宅では必ずしも1階から2階まで連続した手すりが設置されていないケースもあります。住まいづくりの際、階段の手すり設置は必須項目とお考えください。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第14条【床】 / 設計提案ポイント4【安心・安全性】 / 転倒防止 / バリアフリーリフォーム (兵庫県O)

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転倒予防のための生活上の工夫と建築上の工夫」への2件のフィードバック

  1. 床段差というよりも、つま先の引っかかりになる床の凹凸が、転倒の原因になりやすいです。一人暮らしになると、床の片付けを習慣化するのは、なかなか難しいです。
    「人気のロボット掃除機」を住まいに導入されてから、掃除機の走行の邪魔にならないように、床に置いていたものを片付けることが楽しくなった方がおられます。
    楽しくなければ、続かないのかな?

  2. 加齢とともに、高齢者はつま先が上がらない歩き方になりがちです。そのため床の小さな段差や敷物・置かれた小物にも足が引っかかり、思わぬ転倒をします。
    身体の向きを回転する動作はバランスを崩しやすく転倒のリスクが高いので、なるべく回転しないで済む動線計画が望まれます。建具はドアよりは引き戸の方が、開閉時に身体の動きが少なく安全です。
    夜間に使うトイレの扉にドアを用いる場合には、回り込む動作を避けるように吊り元の位置を考え、選びます。タンク付きの便器の手洗いは、使用時の振り返り動作にも注意が必要です。

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