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居の住まい手であっても、一日24時間まったく誰とも関わらないということはなく、なんらかの人づきあいがあるものです。高齢の住まい手であれば家族以外でも、たとえば、かかりつけ病院の主治医や担当のケアマネジャー、お隣さん・ご近所さん、町内会や趣味のサークルの友人・知人などとの人間関係(=ネットワーク)が考えられます。
これらのネットワークを把握することで、住まいづくりの提案に活かせるヒントが見つかるかもしれません。たとえば、主治医やケアマネジャーから、この住まい手には服薬の管理が必要だという情報が得られたならば、内服薬ラックを部屋のどこに置くのかが改修計画の一つのポイントになったりもします。住まい手のネットワークについては、聞けるようであれば、まず住まい手本人に聞いてみましょう。ご本人が一番大切にしている人間関係をうかがうことができるかもしれません。
ネットワークを把握したとしても、そこから住まいづくりに活かせる情報を探ることは、非常に地道な作業です。「対話の心得:第4条 暮らしの観察」が、住まいの中の住まい手の動きにクローズアップするものだとすると、「対話の心得:第8条 多職種等との連携」は、住まい手を広い視野で俯瞰して捉えるものだといえる面があります。
対話の心得・第8条【多職種等との連携】(神奈川県W)