「対話の心得:第1条」の解説に、「ご家族全員が必ずしも同じ考えや希望を持っているとは限りません」とあります。費用の主たる担い手であるご本人が高齢者の親で、同居家族が長男夫婦であるという例で考えてみましょう。
表面化はしていないもののご本人と長男の妻との折り合いが決して良くはなく、家族全体の打合せの場でもやや不穏な空気が感じられる、そんなケースでは、ご本人と同居家族(長男の妻)が牽制し合い、ご本人の要望や意向を聞き出しにくいことが往々にしてあります。
このような場合、長男の妻がいないところでご本人と対話する手段を考えてみましょう。携帯電話やメールで連絡を取ったり、ケアマネジャーなどを介して外で会うのも一つの方法です。
ただし、こうした行動を同居家族に内密にしておくと、知られたときに同居家族の信頼を損なう恐れがありますから、ご本人の立場に十分配慮したうえで、同居家族に知らせる心遣いも大切だといえます。
対話の心得・第1条【対話の機会づくり】(神奈川県W)