転倒したのはどこ?

環境の課題を拾い出す際に、ご本人に住まいの中での転倒経験がある場合には、「転んだ場所はどこですか?」と質問するのは大切なことです。その場所、そして、できれば「いつ?」「何をしようとして?」まで聞き取ることができれば大きなヒントになることがあります。

こんなことがありました。伝統的な日本家屋を増改築されたお家でしたが、まっすぐな動線の廊下で転倒された高齢の方がいらっしゃいました。ご本人、ご家族は気がついていませんでしたが、現地を調べると、その廊下は動線に対して横方向にわずかな傾斜がついていました。数十年前の家屋の増改築の際に外廊下に接続させて増築部分を新設したために、外廊下の雨水勾配が家屋内の動線に残っていたのです。断定はできませんが、若いころは意識せずにバランスをとることができても、高齢になってそれが難しくなり、転倒の原因となった可能性はあります。こうしたことがわかれば、少しでも安全に配慮した対策が立てられます。床を大改造しなくても、たとえば手すり設置だけでも転倒リスクを少なくすることができます。

対話の心得・第4条【暮らしの観察】 / 転倒防止(茨城県O)

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転倒したのはどこ?」への1件のフィードバック

  1. 日常的な暮らしの場のつまづきの原因は、ご本人の気づかないうちに進む加齢に伴う身体機能の低下がもたらす、つま先の小さな変化だったりしますね。

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