「くつろげる空間」とは?

前、看護師の知人が、高齢者の方は施設入所の引っ越し時などで大事な物を紛失すると、精神的なバランスを崩し、せん妄状態に陥ることが多い、と指摘されていました。

若い人が引っ越しで物を捨てるのは普通ですが、高齢者によってはなんとせん妄に陥る。この事実が意味するところは、高齢者がいかに私物を含む住環境に対して精神的に依存しているかということです。

上記を踏まえると、住環境整備で床段差や温熱環境を改善することは無論大事ですが、それ以上に、『住まい手が健全な精神状態を維持できること』が重要です。具体的には、財布の置き場所を変えない、亡くなったご主人の遺影の位置を変えない、などです。このように住まい手の精神面を重視することにより、「くつろげる空間」を維持できるのです。

対話の心得・第6条【「居場所」の確認】(神奈川県W)

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「くつろげる空間」とは?」への1件のフィードバック

  1. とても大切なことを書いてくださっていると思いました。
    精神面の安定への配慮が、くつろげる空間提案の基盤に欲しいですね。

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