「キーパーソン」を見極める

住まいづくりにおいて、住まい手の要望や意向、ニーズなどに応えていくことが当然ですが、住まい手以外に、プランニングを進めるうえで重要な役割を担ったり、設計の決定に大きな影響をもつ人物が存在することがあります。こうした人物のことを「キーパーソン」と呼ぶことがあります。

一般に、費用を支払う人がキーパーソンであることが多く(もちろん費用を支払う住まい手本人がキーパーソンであることが一番多いでしょう)、この場合、キーパーソンが納得することで住まいづくりが進みますので、キーパーソンの理解を得ることが重要であることは言うまでもありません。

費用は同居の家族が担うが、プランニング上で特に配慮を要する住まい手(高齢者や障害者)がキーパーソンになるケースも多くあります。この場合は、キーパーソンである住まい手の要望等を、費用を担う家族に理解してもらうことが重要になります。

住まい手に対して発言力が強い、遠方に住む親族であるとか、別居している息子であるとか、あるいはその配偶者などがキーパーソンである場合もあります。また、家族以外でも、住まい手の生活や心身の状況をよく知るケアマネジャーや医療・福祉関係者などがキーパーソンとして重要な情報を与えてくれることもあります。

このように、ひと口に「キーパーソン」と言っても、良きにつけ悪しきにつけ、キーパーソンが存在する状況は実にさまざまです。キーパーソンは、住まい手本人から聞けないような事情を知っていることもありますので、誰がキーパーソンなのか(1人とも限りません)見極めることが求められます。そして、住まい手とキーパーソの関係性に留意しながら、キーパーソンの話ばかり聞いて住まい手の思いをないがしろにしてしまうことがないように注意することがきわめて重要です。

対話の心得・第7条【キーパーソンとの連携】(神奈川県W)

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