停電した夜間でも階段の段先が認識できる工夫

内階段の段鼻に蓄光機能が付いた滑り止めテープを付けることで、夜間の階段位置がはっきりします。

センサーライトの設置はぜひ検討したいところです。災害時の停電を考えると、乾電池式のタイプが大変便利です。取り外しができると、停電時の利用価値が上がります。

階段の段鼻に緊急時対応用の滑り止めテープを張り付け。停電した夜間でも段先が認識できる(写真右) 

新・バリアフリー15ヶ条 / 第5条【階段】 / 電気・設備工事 / 防災(熊本県O)

階段の段がはっきり分かるようにする工夫

「新・バリアフリー15ヶ条:第5条」に、階段について「踏み外しやつまずきを防ぐため、段がはっきり分かるようにする」とあります。「段がはっきり分かるようにする」には、具体的にどういった工夫が考えられるでしょうか。

段の先端が分かりにくいと踏み外すことがあり、転落して命にかかわることさえあります。それを防ぐために、段の先端に色を付けるなどして分かりやすくします。色付きのテープを貼るような方法では、テープによっては使っているうちにはがれる心配がありますので、溝を掘って色を入れたりします。できれば、掘った溝にゴムを入れ滑りにくくする方法がお薦めです。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第5条【階段】(茨城県T)

バリアフリーリフォームの優先順位は?

フォームは「人」「住まい」ともそれぞれです。予算や状況により必要に応じて少しずつやる場合もあれば、一気にやってしまった方がいい場合もあります。

早めにやっておきたいのは、工事中の生活への影響が大きい「構造やスペースに関すること」、日常生活の確保の観点から「つまずき、転倒のもとになるような段差の解消」「階段のすべり止め設置」「階段の手すり設置」(平成12年に階段の手すり設置が義務化、それ以前は手すりがない家が多い)などです。

玄関、廊下、浴室、トイレ等の手すりは必要になってからでもよいといえますが、必要になってからというのは微妙で、身体に変化を感じ始めたとき、たとえば立ち座りがきつくなったとか転びやすくなったとか、筋力が低下したとかの自覚症状を感じはじめた時には必ず検討したいものです。身体に何の変化がなくても、片方の手に荷物を持っているときの靴の履き替えや、トイレの立ち座り、浴槽の出入りに、手すりをつかみ安定した動作ができるという利点もあります。

脳梗塞などで片麻痺になった場合、麻痺の程度、麻痺の側、使いやすい高さ等、実際に起きてからでないとわからないものは、必要になってからという考え方もあります。

新・バリアフリー15ヶ条 / 第5条【階段】/ 第13条【手すり】/ 対話の心得・第10条【優先順位の見極め】 / バリアフリーリフォーム (茨城県T)