住まい手には目で見て選んでもらう

『百聞は一見に如かず』ということわざがありますが、耳で説明を何度も聞くより、実際に自分の目で見てみるほうが確かであり、よくわかるものです。

特にキッチンやユニットバスといった住宅設備機器は、カタログで見ていただくのは当然として、可能であればショールームへご案内して、住まい手に実物を確かめてもらうのが望ましいです。

住まい手に『自分が目で見て選んだ』という満足感を感じていただくプロセスは非常に大事なもので、そのうえで専門職から的確なアドバイスをするというのが理想的でしょう。

対話の心得・第3条【わかりやすい言葉づかい】(神奈川県W)

建築士が用いる言葉の意味を住まい手が理解できているとは限らない

建築士は、建築の専門用語や業界用語を、住まい手に対しても使ってしまうことがあります。たとえば「納める」とか「ツラに合わす」など、建築士にとっては当然のように意味がわかっている言葉でも、一般の人にはよくわからないという場合があります。

住まい手にとって、全然知らない専門用語をあたりまえのように使われることはストレスにつながります。また、住まい手がなんとなく理解できているような用語でも、その理解と建築士が指している意味とでは違いが生じていて、後で問題になるケースもあります。こうしたことでは、住まい手の本音を引き出すことも難しくなるだけでなく(➡対話の心得:第2条)、クレームの種にさえなりかねません。意識してわかりにくい専門用語・業界用語を使わないようにしましょう。

また、説明の合間に「ここまではよろしいですか?」「何か気になることはありませんか?」といった問いかけをするなど、住まい手の理解の程度を確認しながら話を進める姿勢も大切です。

対話の心得・第3条【わかりやすい言葉づかい】(神奈川県W)