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家の新築や改築を考えるとき、日当たりや使いやすさには気をつけるが、部屋の通風まではなかなか気が回らない。しかし、1年を通して自然の風を利用してカビなどの発生を抑えるには通風を考えておくことがとても大切だ。特に高齢者にとってエアコンをきかせる生活は身体に負担になることがあるので、できるだけ風通しの良い部屋にしたいものだ。
多くの住宅の個室は南側に大きな窓があり反対側にドアがあって廊下で他の部屋とつながっている。さらに廊下は玄関や洗面所を通して北側の外気と接している。また階段も吹き抜けとなって風の重要な通り道となっている。
提案したいのは各個室のドアの上部に欄間の窓を造ることだ。軽い木製で「内倒し」という室内に倒れてくる形式のもので良い。虫や蚊の侵入は外窓の網戸で防げる。外部に接する部屋の南側や階段、洗面所などの窓は断熱にも充分配慮したアルミサッシの窓にする。風の量はこのサッシの開け具合で調整するので開けても防犯性が高いものが望ましい。
外気に接する窓は一度閉めたらしっかり外気を遮断する性能も必要だ。こうしておけば四季折々の、その場でしか出会えない風とうまく付き合っていける。
実務者会員 岡田安平 (岡田安平建築設計事務所)
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