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2階建てはもとより、3階建ての住まいも多くなりつつある昨今では、階段は安全であることが望まれる。1階の1段目が廊下に突き出ていてつまずいたり、2階の降り口が人がよく通る廊下沿いにあるため、夜にトイレに行くときに誤って落下したりという事態は絶対に避けたい。
階段全体の形状としては、直線型より折り返し型がよい。折り返し部分も曲がり階段にするのではなく平らな踊り場とし、万一転落しても、一気に落下するという大事故を防ぐようにする。
上り下りの動作を安全にするため、手すりはかならず設けたい。2000年の建築基準法の改正でもかならず手すりを設けることと規定された。両側に手すりをつけられないときは、下りるときの利き手側に設ける。
手すりの形状は握りやすい太さで、直径35ミリ程度のものが望ましい。材質は、屋内用では木製かアルミ芯材(しんざい)に樹脂被膜を施してあるものなどがよい。連続して設けることが重要で、取り付け方にも細かい配慮が必要である。
階段は上下階を貫く開口部として、主要な通風の設備でもあるととらえられる。階段付近に窓をつけるなど工夫して、1,2階に新鮮な空気を取り入れ、風通しをはかると良い。
実務者会員 宮島敦子
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