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室内の照明などのスイッチの場所は日常使っていると体が覚えて自然に手が出る。では体にとって一番使いやすい高さとはどの程度だろう。一般的には床から110〜120センチといわれるが、この高さは子供や車いすの人には高すぎ、もう10センチ下げた方が使いやすい。
最近私が設計する建物ではスイッチの高さを建具のハンドルや引手と同じ高さ、90〜95センチにしている。ドアを開けた手をそのまま横にずらせばスイッチを見つけられ、体が場所を覚えやすい。
コンセントも一般的な高さは20センチが多いが、それではかがみ込むので腰への負担がある。いっそ、スイッチと同じ高さにしてはどうだろう。掃除機のように頻繁に抜き差しする場合は特に使いやすい。もちろん差したままで使う機器にはコードが邪魔にならない配慮がいる。
新築時に決めるときにはスイッチやコンセントが高くても低くてもコストに影響しない。これを増改築の時に「高くして」「低くして」とお願いしてもできないことがある。なぜなら照明器具と結ばれるスイッチは上からの配線なので低い方へは電線が延びない、同じように床下配線をしたコンセントでは高くできない。初めの計画が何事にも大切である。
実務者会員 中村陽子 (創作工房И)
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