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老後まで長く住む居室が快適であるための条件の一つに、安全がある。安全性については最近、仕上げに使うものとしてシックハウス症候群などの原因にならない建材が注目されているが、万が一、火災が発生した時に有毒ガスを発しない建材、燃えにくい建材を使うことも大切だ。
一般に、自然素材の木は合板などと違って燃えにくく、燃えても有毒ガスを発しにくい。ただ、塗装剤の中には有毒ガスが発生するものもある。せっかく自然素材を使うのであれば、塗装剤選びも慎重にしたい。
また、設計の段階で「いざ」という時の避難通路を考えておくと良い。特に寝室では2方向への避難を考えておく。廊下への出入り口ともう1カ所、直接外へ出られる床までの掃き出し窓を設けておくと良い。2階や3階では緊急時、助けがくるまでバルコニーにとどまるのも有効な避難方法である。その場合は、出てきた窓をしっかりと閉める必要がある。そこでバルコニーに面した窓のガラスを強化ガラスか網入りガラスとし、炎などによって割れにくいようにしておく。
こうした出入り口のサッシでは足元の段差の少ないバリアフリーサッシを使用しておくと、車イスであわてて避難するにも事故が少ないだろうし、日常の出入りもしやすくなる。
実務者会員 中村陽子 (創作工房И)
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