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住宅にとって窓は不可欠だ。だが光を入れ、風を通し、景色を楽しむ窓を適切な位置に適切な形状のものを付けることは意外に難しい。大まかな平面プランが決まったら、構造に必要な壁をとり、各部屋ごとに窓の位置を決めていく。窓は自分の家の中から見て適切な位置であると同時に隣家の窓との関連も重要だ。後から建てる側が配慮することになるのだが、敷地に縄を張り、家の形を入れてみて、窓の位置を確認していく作業をすると良い。
窓の位置を決める際には平面図に家具の寸法を入れてみて窓にかからないよう確認すること。電動シャッターを付ける場合はサッシの横にスイッチがくることも忘れないように。
風通しを良くするためには敷地の風向きを調べ、風の入り口と出口をペアで考える。一般的にいえば南北がペアになるのが望ましいが、住宅が密集した地域などでは必ずしもそうとはいえない。
台所や浴室、洗面所などは流しや浴槽、洗面器などとの位置関係も大切で、窓の開閉や窓ふきに問題がないかを確認する。例えば台所の出窓などは得てして開閉が難しいし、浴槽の向こうにある窓もしかり。洗面器の前には鏡が付くので、そのことも念頭においておこう。
実務者会員 吉田紗栄子 (アトリエ・ユニ)
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