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直角の廊下を曲がろうとして、家族とぶつかりそうになったり、大きな家具を運ぼうとして、壁の角を痛めてしまったりしたことなど、多くの人に経験があるのではないだろうか。こういった経験から廊下幅を広くしたいという要望がよくある。だが、問題は廊下幅ではなく、コーナー部分の考え方にある。
公道などに目を向けると、コーナー部分を切り取った「隅切り」(すみきり)がある。これで車はスムーズにカーブすることができるし、いち早く車の往来を確認することもできるため安全でもある。これを家の廊下にも応用するのである。
方法は、廊下のコーナー部分の50センチ程度手前から45度に壁を切り取って廊下を広げるのである。当然、廊下が広がった分だけ反対側は狭くなる。居室部分のコーナーが三角形に狭くなると、家具などを配置する際にデッドスペースになる恐れもある。こうしたスペースは物入れなど収納を配置するように工夫すると良い。
廊下のコーナー部分を広げれば、家族との衝突の危険性が低くなり、大きな家具の移動も楽になる。何よりも車いすなどの福祉用具を活用するときもスムーズであることが利点だ。
実務者会員 徳永栄一 (フォルム設計企画一級建築士事務所)
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