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日本人の風呂(ふろ)好きは有名だ。疲れた体をいやし、心も体もリフレッシュする場として、浴室へのこだわりはますます大きくなってきている。スペースにゆとりを持ちたい、暖房したい、浴槽を大きくしたい、24時間いつでも入りたいと要望は多い。
ところが忘れられているのが風呂のふたの問題だ。入浴時、ふたが重い、扱いにくい、置く場所がなく邪魔だと感じることはないだろうか。新築や増改築時、浴槽は好みを取り入れて選択するが、ふたは当然、ついてくるものだと思っている人が多い。入浴の都度、使うものなので、軽くて扱いやすく、しかも汚れにくく手入れが楽なものを選びたい。
特に高齢になると、ふたの開け閉めも大変な動作となってくる。また保温機能も省エネの面から重要な条件だ。数千円から2万円くらいまで様々な商品が出ているので確かめて購入したい。
さらに考えておきたいのが置き場所だ。立てて置くか、横にして置くか、いずれにしろ体を洗っているときに洗剤や湯水がかからない位置が良い。倒れないように金具を使うなどして固定しておけば安全だ。そのためにも置き場所を浴室内の計画時にあらかじめ決めておくことが肝心だ。
実務者会員 溝口千恵子 (高齢者住環境研究所)
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