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岡谷のいえ

 

アシスト設計
田畑邦雄



他県に住む高齢の両親と同居するため、2世帯の住まいをつくることになりました。この一見単純な与条件は二つの大きな課題を含んでいました。それは、離れて暮らしていた人たちが一緒に住むのは互いにストレスを感じてしまう可能性が高いこと、高齢による心身の変化は自立した生活だけでなく介護も困難にさせ、時として在宅での生活を困難にしてしまう場合もあることです。
これらの課題に対して建築が関われることを整理し、「互いの生活を阻害せず、両親をそっと見守れること」・「安全で誰もが使いやすく、介護もしやすいこと」の二つを基本的考え方として設計の中心に据えました。この基本的考え方をふまえ「明るく暖かく過ごしやすい住まい」・「パブリックな生活とプライベートな生活を両立させる住まい」「2世帯を適度に分離しつつ“共住”のできる住まい」を目指した計画をしました。


家族構成


両親(父/88歳、母/85歳)、息子夫婦 (平成10年当時)
両親は、日常生活は自立しているものの、母の健康に不安がある。
(父は建物の建設中に転倒、骨折、足が不自由になっている)
家族の希望


両親の希望は、「朝昼の食事は自分で作って食べたい」である。
息子夫婦の希望は、「職業柄来客も多く、両親の生活リズムとも違うので、できるだけお互いが気にせずに暮らせるようにしたい、また、将来介護が必要になったときに無理なく介護ができるようにしておきたい」である。


両親の生活空間について配慮したポイントをご紹介します。両親の生活空間はLDKなどのパブリックな空間と離した上で、日当たりや外の眺めを確保できる空間配置としています。この生活空間は、介助スペース付きトイレのある寝室、段差無しで他室に移動でき、日当たりが良い居間、朝夕は自分で好きなメニューをつくることができるミニキッチンのある広縁等により構成され、ほぼ独立して機能します。また、浴室は入浴介助も容易な広さとし、段差のない出入口とし、手摺を適切に設置しています。また、各室をつなぐ廊下の幅や各室の出入口の幅は車いすでの移動や介助歩行でも可能な幅を確保しています。このほかスロープを設けるなど、車いすでの外出も考慮しています。

 スロープ    玄関

玄関スロープ
散歩や買い物に車いすでの介助もしやすくなる1/12勾配のスロープによるアプローチとした。この場合、床下換気口の配置や土台の一部レベル上げ(防湿のため)などに配慮が必要。
 

玄関
ポーチから玄関土間の段差は雨仕舞を考慮した最小寸法20・、玄関土間と玄関ホールの段差は簡易スロープの設置を前提にした180・。また、履き替え時の姿勢保持と移動補助を兼ねて水平手すりを床面から750・の高さに設置。


 トイレ  

両親用のトイレ入り口
夜間でもすぐに利用できるよう寝室から直接利用できる専用トイレ。介助スペース、引き戸、出入口段差なしなどを考慮した。
 


 



 

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