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家を新築するとき、すぽっと抜け落ちてしまうのが郵便受けだ。家ができあがってから、外周工事を考え、その段階で初めて門のどこに郵便受けを付けるかという話になる。
実際の生活の中では、朝夕に新聞を、日中には郵便を取りに行くなど、雨の日も雪の日も台風の日であっても、1日数回は行き来を繰り返す。家族全員が元気なうちは良いが、そのうち加齢とともに億劫(おっくう)になったり、門までの通路で転倒してケガをしたり、という話もよく耳にする。新築の際には、ぜひとも郵便受けの位置までしっかり考えておきたい。
できるなら屋内から直接郵便物の出し入れができて、雨にぬれずに行き来できる場所に設置するのが望ましい。郵便受けそのものも大型にしておかないと、郵便物や新聞も折り込み広告を加えると郵便受けからはみ出してしまう。少なくともB4サイズが入るものを目安にすると良いだろう。
取り出すとき、ふたを開けるが、片手操作で開閉できるものを選択しておけば、ふらついたときも片手で体を支えられるし、荷物を持ったままでも開閉できる。ちょっと気を付けておけば老後も安心だ。
実務者会員 溝口千恵子 (高齢者住環境研究所)
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