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先日、ある新聞に「男性の働き盛りの世代に夜尿症が多くなっている。これはストレス社会が原因」という記事があった。ほかの雑誌では、失禁にもタイプがあり腹圧性尿失禁は中高年の女性に多いとあった。こうした問題も案外、身近な問題なのかもしれない。
今まで、住宅を考えるとき、乳幼児や高齢者が同居するときにしか特別に排泄(はいせつ)の問題を取り上げないか、あるいは多くの場合、プライバシーの問題であろうとして建築士と施主が互いに語り合うことをせずトイレ周りの設備を計画し、作ってしまうことが普通だった。
現在、既存の便器の給水管に後から簡単に取り付けて汚物を洗浄できるようにするケア水栓が登場している。安価なうえに効用は大だ。これがあるとトイレが汚れ物の後始末のできる兼用設備になる。この水栓は必要になったときに設置すれば良いので当初の設備投資はいらない。取り付け工事は専門の業者に依頼することになるが、工事は短期間で終わる。
ケア水栓に限らず、あまり知られていないが便利な住宅設備は結構あるものだ。こうした便利な設備の情報を知っておくと、シンプルな設備機器の活用で日々の快適な暮らしを送ることができる。
実務者会員 徳永栄一 (フォルム設計企画一級建築士事務所)
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