住まい手から「身内にも秘密にしてほしい」と言われたら…

住まい手から得た情報を住まい手の許可なく「他者」に漏らしてはならないことは、対話の心得として基本中の基本です。そして、この原則において、「身内」でさえ「他者」に該当する場合が往々にしてあります。よくある例は、『住まい手がこうしたいと思っていることに対し、快く思っていない、または不要だと思っている家族がいる』というケースです。あるいは、『住まい手がこうしたいと思っているのには理由があるが、その理由は家族の誰にも知られたくないので秘密にしてほしいと頼まれる』というケースもあります。

こうしたケースは、その家族が同居であるか別居であるかを問わずよくあり、設計者はまさに板挟みの状況に置かれます。しかし、このような局面でこそ、個人情報を大事にしなくてはなりません。そのうえで、家族が納得できるような提案をできるかどうかで、設計者の力量が問われるといえます。

対話の心得・第9条【個人情報の保護】(神奈川県W)

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住まい手から「身内にも秘密にしてほしい」と言われたら…」への2件のフィードバック

  1. 設計者が板挟みになる人間関係、家族の利害関係はこじれると難しいですね!

    それとは次元が異なりますが、
    脳機能の一部分の低下による症状で生活に不具合が生じている場合でも、「認知症」の診断を受けると「判断できない人」「保護すべき人」というレッテルと家族が貼り付けて、生活環境に関わる決断の場から排除されてしまうという問題があります。
    こうしたケースでは、家族と本人の間の調整が必要になると思います。
    個人情報だけでなく「人権」を大切にしたいです。

  2. 身内・同居人に知らせたくない秘密は、その内容次第で対応を変えます。
    業務契約上の守秘義務を守るのが基本です。秘密の内容を把握した上で、業務遂行に情報開示や調整が必要なことか否かを判断します。情報開示が必要な場合には、本人の了解を得て、人間関係を拗らさないように配慮しながら開示に基づき業務を遂行します。内容によっては、他の専門職に相談が必要なこともあります。

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