他県に住む高齢の両親と同居するため、2世帯の住まいをつくることになりました。この一見単純な与条件は二つの大きな課題を含んでいました。それは、離れて暮らしていた人たちが一緒に住むのは互いにストレスを感じてしまう可能性が高いこと、高齢による心身の変化は自立した生活だけでなく介護も困難にさせ、時として在宅での生活を困難にしてしまう場合もあることです。
これらの課題に対して建築が関われることを整理し、「互いの生活を阻害せず、両親をそっと見守れること」・「安全で誰もが使いやすく、介護もしやすいこと」の二つを基本的考え方として設計の中心に据えました。この基本的考え方をふまえ「明るく暖かく過ごしやすい住まい」・「パブリックな生活とプライベートな生活を両立させる住まい」「2世帯を適度に分離しつつ“共住”のできる住まい」を目指した計画をしました。
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