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IT革命は生活スタイルも変革している。ブロードバンド化の現在、インターネットは個人から家族の共用となり、日常生活に取り込まれてきた。高齢期は在宅時間が長くなる。その時間を生かすためにもITを住宅にぜひ取り入れたい。
そこで、居間の一角にパソコンコーナーの設置をお薦めする。せっかく通信環境を整えても、使いにくい場所だと徐々に使わなくなるおそれもあるからだ。位置は南向きの一等地がよい。専用の窓があれば理想的だ。机は作り付けが望ましい。夫婦で同じ画面を見られるように机の上は畳1枚くらいの広さが欲しい。特に、奥行きは九十センチくらい取れば作業にゆとりが生まれる。足元はオープンにしてキャスター付きのイスを使えば夫婦相互の移動も簡単だ。
机の素材は安価なもので十分。カーテンとコーディネートしたクロスを掛けるほうが、部屋全体の雰囲気に合わせやすいからだ。コンセントは床から1メートルほどの高さに付けると机の上部になる。差込口の数は多めにすること。当然、電話も必要だが、接続形式によって配管、配線が異なるので要注意。
ITで世界とつながっている時間を共有することで夫婦の共通の話題もできる。高齢期の充実した生活も保障してくれるだろう。
実務者会員 徳永栄一 (フォルム設計企画一級建築士事務所)
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