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照明の仕方で部屋の雰囲気はずいぶん変わる。最近では部屋が少し暗くなっても情緒のある柔らかな光を求める傾向がある。
部屋の中央に1灯だけの照明は経済的だが、広い部屋だと隅のほうは薄暗く感じる。逆に高齢者では寝室などで寝ているときに直接光源が目に入ってまぶしいと感じる人もいる。
そこで、間接照明と部分照明を組み合わせる方法を勧めたい。間接照明は光源から光を壁や天井に当て、その反射光で部屋全体を明るくする方法である。例えば、6畳間くらいの広さでは壁付けの器具(白熱灯60ワット程度、皿型のもの)を4灯、壁に均等に配置する。これだけでも部屋の明かりは十分だが、新聞を読んだりするには部分的な照明を加える。ベッドならばヘッドボードの上にアームのついた自由に動く手元灯をつける。いすで読むならば移動できるフロアースタンドを用意する。位置を変えることを考えてコンセントを多めに配置しておくことが使いこなすポイントだ。いつも決まった位置にテーブルがあるならその位置にペンダント型の照明を設けても良い。
こうして間接照明と部分照明を組み合わせると、昔の日本の家屋に負けないくらい、柔らかで豊かな陰影のある部屋を演出できる。
実務者会員 岡田安平 (岡田安平建築設計事務所)
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