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家を新築するときには部屋の意味づけをして計画する。多くの場合、2階は子供部屋を配していることが多いが、10年たつと物置に変わっている。子供たちは独立して出ていったのである。こんなぜいたくな、日当たりの良い物置が狭い住宅事情の中にまん延するのはいかがなものだろうか。
子供部屋が物置にしか利用できない要因に部屋の広さがある。一部屋が6畳程度に分断されていては物置にしか使えない。そこで2階のプランニング時に耐力的に必要な最低限の壁を作るだけにし、そのほかはオープンにしておくのはどうだろうか。当面、子供部屋として使うのであれば部屋を区切るものを簡易なものか、移動できるものにするのが望ましい。高さが天井まである移動できる家具などで区切るのも有効だ。
このときに電気設備に注意したい。天井照明は、埋め込みのダウンライトで全体照明を計画し、局部照明はフロアスタンドなどで明るさを確保する。天井に点検口を設置しておくと、屋根裏にあがることができ、配線などの変更が簡単だ。コンセントは設置できる壁が少ないのでフロア型で補いたい。
将来、子供たちが独立していった後、広いフロアでどんな趣味を持とうかと考えることはとても楽しいものである。
実務者会員 徳永栄一 (フォルム設計企画一級建築士事務所)
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